メンヘラでバツイチのおひとりさま。

話し相手はわんこだけのおひとりさま。日々を語ります。

お題「くすっと笑える、ことばの覚えまちがい、言いまちがい。」

 

すでに他界しているが

我が母はとにかく「言い間違い」および「覚え間違い」をする人だった。

ある意味「うろ覚え」の天才だったと言っていい。

 

あるとき口走ったのが

「お坊さんのジャクソンさん」

である。

 

誰よ、それ。

 

「あの人、もうトシなのに肉バンバン食べるらしいよ」

 

ご老体で、肉を喰らう、お坊さんのジャクソンさん

 

一気に妄想が爆走する。

わっちの中の「ジャクソン」といったらもう

KingOfPop、マイケル・ジャクソンしか思いつかない。

マイケル・ジャクソンが僧侶になって肉を喰らう…?

読経はThriller…?

法事の最中にゼログラビティ…?

ちょっとまって、お布施とかめっちゃ高そう。

 

って、んなわけあるか。

このあまりにも曖昧なヒントから

いったい誰のことを言っているのか探り当てなければならない。

だがわっちも長いこと母と会話をしているわけで

この「お坊さんのジャクソンさん」という言葉の中で

どの単語が一番近い意味を持っているかは想像がつく。

 

恐らくお寺関係の有名人。

高齢なのは間違いない。

となると思い当たる人はアノ人しかいない。

 

「それ、もしかして瀬戸内寂聴さん…?」

「そうそう。だから私も肉食べるよ」

 

普通に会話は続いていったが、わっちのアタマの中は

“お坊さんのジャクソンさん”でいっぱいだ。

 

100歩譲って「言い間違い」にしてやったとしても

「ジャク」しか合ってねぇ。

 

しかもあの人は「お坊さん」じゃない。

尼さんだ。

 

その後も母は平然と話を続けていたが、

わっちの頭の中では袈裟を来たマイケル・ジャクソン

木魚に合わせて踊っていた。